治療情報

ステロイド性およびアルコール性大腿骨頭壊死症(両脚)の治療例

(本ブログは患者さまの承諾を得て、画像や病歴などを記載しております)

患者さまは40代男性、両側の大腿骨頭壊死症で、脂肪由来幹細胞の骨内投与(幹細胞、人工骨、成長因子)と関節内投与(幹細胞)の手術を受けて、現在は痛みがなくなり症状が改善された方です。

ステロイドの治療歴があることと、飲酒も普段から酎ハイ2杯、喫煙も毎日10本ということで、ステロイド性およびアルコール性の大腿骨頭壊死症と診断しました。

これまでのご本人の経過は以下です。

  • 2020年に類天疱瘡でステロイド治療
  • 2022年に両側股関節痛を認め、MRI検査で右Type C1 左Type C1 右Stage 2 左Stage 3Aの大腿骨頭壊死の診断を受け、かかりつけ医から「いずれ人工股関節になる可能性が高い」と言われたそうです。
  • 2023年、弊社提携クリニックである吉川病院での手術にて、骨内投与および関節内投与脂肪由来幹細胞の再生医療を受けられました(黒田が担当)。

現在1年近く経過して、症状の変化もはっきりしており、術前と術後でよくなったとのことです。

術前:「運転後にかなり痛い、車から降りる時が痛い、歩きづらさ、動かしにくさがあった」
現在:「車から降りる時の痛みがなくなった。動きがよくなって、和式トイレもできるようになった」
 お仕事である建設業も問題なくできているとのことでした。

MRI検査では両側とも骨頭の中が黒くなっており、黒い部分が壊死している範囲です。
骨頭の半分以上を占めていて、骨頭の圧潰が進行しやすいタイプでした。

手術前のX線画像では、骨頭内に右、左とも骨折線のような黒い線(白矢印部分)や黒い部分が入っており、骨頭の圧潰が進もうとしている段階でした。

手術後1年のX線画像で骨頭内の骨折線のような黒い線や黒い部分の範囲がほとんどなくなっており、骨頭内も白く、壊死部が再生していることがわかります。

この患者さまは、両脚の骨再生によって症状も日常生活で困ることがないほど良くなり、大変喜ばれていらっしゃいます。