治療情報

大腿骨頭壊死症に対する2種類の幹細胞治療(内容更新あり)

セルファクターの寺尾です。
このブログでは、再生医療に関する最新情報を専門家(医師)の視点から分かりやすくお伝えしていきたいと思います。
まずは、当社がファーストミッションとして取り組んでいる難病・大腿骨頭壊死症の再生医療治療についてご説明します。

大腿骨頭壊死症に対する2種類の幹細胞治療

大腿骨頭壊死症の治療法として幹細胞を使った治療法が注目されています。
2014年に再生医療に関する法律が整備されて以後、細胞を使った治療が多くの医療機関で行われるようになりました。
今はまだ、変形性関節症に対する幹細胞治療が行われていることが多いですが、壊死に対しても有効なことから、大腿骨頭壊死症に対する治療法としても注目されています。
大腿骨頭壊死症に対する幹細胞治療では主に2種類の投与方法があります。

  • 骨の中に幹細胞を注入する方法(骨内投与)
  • 関節の中に幹細胞を注入する方法(関節内投与)

各治療法のメリット・デメリット

骨内投与

  1. メリット
    ・壊死した場所に細胞を直接注入することができる
    ・広い範囲の骨壊死でも対応可能
  2. デメリット
    ・手術と短期間の入院が必要
    ・関節内投与より治療費が高い
    ・実施できる医療機関が少ない
  3. おすすめ度

関節内投与

  1. メリット
    ・注射で投与するので、気軽に治療を受けやすい
    ・外来通院だけで治療を行うことができる
  2. デメリット
    ・関節表面から骨に作用するため、骨内投与より治療効果が弱い
  3. おすすめ度

骨内投与について

骨の中に幹細胞を注入し、壊死している部分に直接細胞を作用させることができるので、幹細胞治療の中では骨内投与がファーストチョイスになると考えています。
しかし、様々なご事情で骨内投与を受けられない方もいらっしゃいます。その場合、骨壊死の範囲が広くなければ、関節内投与治療を行います。これらの治療法は単独で行うだけでなく、組み合わせて治療を行うこともあります。
大腿骨頭壊死症では、壊死した部分がつぶれてしまうと人工関節置換術などの大きな手術が必要になってしまいます。
人工関節置換術を避けるためには、骨頭がつぶれてしまう前に壊死した部分を早期治療することが重要になりますが、再生医療(細胞治療)が登場するまでは、壊死した部分を積極的に早期治療する手段がありませんでした。
そのため、体重をかけないよう松葉杖で生活し、自然治癒を期待して待つしかないことも多かったです。
細胞を使って壊死部分の積極的な早期治療が行えるようになったことを、多くの人に知っていただきたいと思っています。

また、細胞を使った早期治療のためには、早期発見が非常に重要になります。
大腿骨頭壊死症の早期発見には、MRI検査が最も有効です。
レントゲンでは発見が難しい時期でも、MRI検査であれば壊死を見つけることが可能です。

※早期発見の一助になればと思い、大腿骨頭壊死症のリスクをセルフチェックできるサイトを公開していますので、活用いただけましたら幸いです。
https://cellfactor.co.jp/onfh/

 

最近は新型コロナの影響で、大腿骨頭壊死症が世界的に増えていると言われています。
実際に、外来診療を行っていても、以前より多くの大腿骨頭壊死症の患者さんが来院されるようになりました。
大腿骨頭壊死症は、誰でもかかってしまう可能性がある病気です。
股関節に痛みなどの症状を感じた際は、すぐに整形外科医に相談いただき、MRI検査も検討いただければと思います。

お問い合わせ(受診)方法

※大腿骨頭壊死症で再生医療を希望の方

1.骨内投与治療をご希望の方:黒田隆医師/吉川病院の外来受診

かかりつけ医やご近所の整形外科で診察(MRI検査)をしていただいた後、セルファクターのホームページからお問い合わせください。

https://cellfactor.co.jp/contact/

 

2.関節内投与治療をご希望の方:寺尾友宏医師/お茶の水クリニックの外来受診

お茶の水セルクリニックに直接ご相談・受診ください。

https://ochacell.com 

☎ 0120-230-189(お茶の水クリニックの電話カウンセリング)
【電話受付時間】9:00~17:00 月~金曜・土曜(第1・3)